出展企業と来場者、両方を集めるイベント。どちらの告知が効いたか分かりますか?
集める相手が2種類あるイベントは、測る単位を分けないと打ち手が決まりません
実行委員会の定例会で「申込、順調ですか」と聞かれる。来場者は増えている実感がある。けれど出展企業の枠がまだ半分埋まっていない。では何を増やせばいいのか。手元にあるのは「チラシを何枚配った」という記録だけで、企業向けの告知が届いていないのか、届いたけれど刺さっていないのかが分かりません。
集める相手が2種類あるイベントでは、告知も申込ページも2系統になります。にもかかわらず反応をまとめて1つの数字で見ていると、弱い方が強い方に隠れます。分けて測れば、次に手を入れる場所は1回で決まります。

まとめて数えると、弱い側が見えなくなる
仮に、告知全体で7日間に590件の反応があったとします。悪くない数字に見えます。ところが内訳を開くとこうなっていました(数字は説明のための例です)。
| 系統 | 反応 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 来場者向け(申込ページ) | 521 | 88% |
| 出展企業向け(出展案内ページ) | 69 | 12% |
合計だけ見ていたら「590件も反応がある」で終わっていました。実際には企業側は69件しかなく、そのうち何件が資料請求まで進んだかを考えれば、枠が埋まらないのは当然だったと分かります。
準備は「ページを登録して、QRに割り当てる」だけ
やることは3つです。プロジェクトはイベントごとに1つで足ります。
- リンク先ページを登録する:「来場者向け」「出展企業向け」の2つに名前を付けて登録します
- 告知物ごとにQRを発行し、リンク先を選ぶ:折込は来場者向け、業界誌広告は出展企業向け、というように割り当てます
- 配布枚数を入れておく:反応率(反応 ÷ 配布)が出るようになります
QRは「告知物ごと」に分けるのがコツです。同じ来場者向けでも、折込・園児おたより・駅ポスターでQRを分けておけば、どの配り方が効いたかまで分かります。リンク先が同じでもQRは分けて構いません。

反応率まで出すと、次の一手が決まる
件数だけでは判断を誤ります。配布枚数で割ってはじめて、配り方の効率が比べられます。出展企業向けの3つの告知を並べると、こうなりました(数字は例です)。
| 告知 | 配布 | 反応 | 反応率 |
|---|---|---|---|
| DM(過去の出展企業へ) | 300 | 42 | 14.00% |
| 商工会チラシ | 800 | 9 | 1.13% |
| 業界誌広告 | 5,000 | 18 | 0.36% |
42 ÷ 300 = 14.00%。18 ÷ 5,000 = 0.36%。件数では業界誌(18件)が商工会チラシ(9件)を上回りますが、5,000部撒いての18件です。一方DMは300通で42件。次に増やすべきはDMだと、この3行で決まります。
反応率は「他社の平均」と比べても意味がありません。業種も地域も配り方も違うからです。比べるべきは同じイベントの中の別の告知と、去年の自分たちです。上の表は前者の使い方です。
時間帯を見ると、相手の違いがはっきりする
同じイベントの告知でも、2系統は読まれる時間が違います。例では、来場者向けは夜(19〜23時)に伸び、出展企業向けは平日の日中に集中していました。前者は保護者が家事のあとにスマホを見る時間、後者は業務中に読んでいる、という違いです。
ここまで分かると、告知の出し方が変わります。企業向けのDMは週明けの午前に届くよう投函日を調整する、来場者向けのSNS投稿は夜に出す、といった具合です。端末の内訳も同じ方向を示していて、企業向けだけPCからの読み取り比率が高く出ていました。

会期が近づいたら、飛び先を切り替える
印刷物のQRは刷った後も飛び先を変えられます。イベントの運用では、これがそのまま使えます。
- 開催前:来場者向けQR → 申込ページ
- 開催当日:同じQR → 会場案内・タイムテーブル
- 終了後:同じQR → 次回の案内・アンケート
チラシを刷り直す必要はありません。当日、会場で配ったチラシを後から拾った人が「終わったイベントの申込ページ」に飛んで戸惑う、という事故も防げます。日付での自動切り替え(スマートルーティング)も設定できるので、当日の朝に慌てて操作する必要もありません。
個人情報は集めずに測れます
来場者にも出展企業にも、フォーム入力を求めずに反応が数えられます。読み取り時のIPアドレスはそのまま保存せず、元に戻せない形に変換して集計します。氏名・電話番号・正確な位置情報は取得しません。自治体や学校が主催に入るイベントでも使えるのは、この設計のためです。
その代わり、分かるのは「読まれた回数」までです。読んだ人が誰かは分かりませんし、スキャン数は来場者数でもありません。申込まで追いたいときは、リンク先を申込ページにして、そのページ側の数字と合わせて見てください。
次のイベントで、まず2系統に分ける
全部の告知を作り直す必要はありません。次に印刷する告知物から、来場者向けと出展企業向けでQRを分ける。それだけで、次の実行委員会では「企業向けは69件で、DMが一番効いています」と数字で言えます。「順調です」と答えるしかなかった会議が、どこに手を入れるかを決める会議に変わります。
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